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火災保険の契約期間について、損害保険会社は10年から5年に短縮することを検討しています。
保険期間が短縮された場合、保険料の総支払額が増加するなどの影響があります。
今の契約が10年契約でない場合には割引率の高い10年契約の検討をお勧めします。
契約期間短縮の背景とは?
・10年先のリスク予測が難しい
火災保険の保険料は、10年(最長)の契約期間中に、どれくらいの災害が発生するかを推計して決定しています。
近年の地球温暖化により自然災害の将来予測に不確実な要素が増しており、10年先の災害リスクを予測が難しくなってきていることが要因のひとつです。
・保険会社の収支が悪化
近年大型台風及びゲリラ豪雨などの自然災害の多発により、損害保険会社が取り扱う火災保険の収支は急激に悪化傾向にあります。
下記の表は、過去の地震を除く主な自然災害を支払保険金順にしたものです。
赤字で示している通り、2018年6月以降に支払保険金額の上位10件に入る災害が3つも発生していることがわかります。
過去の主な自然災害(地震を除く)
順位 | 災害名 | 主な罹災地域 | 支払保険金 |
1 | 2018年9月 台風21号 | 大阪・京都 | 1兆678億円 |
2 | 1991年9月 台風19号 | 全国 | 5,680億円 |
3 | 2004年9月 台風18号 | 全国 | 3,874億円 |
4 | 2014年2月 雪害 | 関東中心 | 3,224億円 |
5 | 1999年9月 台風18号 | 熊本・山口・福岡 | 3,147億円 |
6 | 2018年10月 台風24号 | 東京・神奈川・静岡 | 3,061億円 |
7 | 2018年7月 中国四国豪雨 | 岡山・広島・愛媛 | 1,956億円 |
8 | 2015年8月 台風15号 | 全国 | 1,642億円 |
9 | 1998年9月 台風7号 | 近畿中心 | 1,599億円 |
10 | 2004年10月 台風23号 | 西日本 | 1,380億円 |
※支払保険金は火災、新種、自動車、海上保険の合計
(出典)一般社団法人日本損害保険協会・損害保険協会ファクトブック2019
2018年度は、国内自然災害に伴う大手損保の保険金支払額が、東日本大震災時を上回り過去最大となり、業界全体で1兆5,000億円を上回る保険金が支払われました。
主な風水災等による年度別保険金支払額の推移
(出典)損害保険協会ファクトブック2019
ちなみに、2019年には台風15号、台風19号と大きな水害が発生しました。2019年も保険金支払いが2兆円を超えると見込まれるとの報道もあります。
以上のことから、風災および水災による支払い保険金は業界全体で増加しつつあり、この傾向は当面継続するものと考えられます。
こういった状況を受け、収支悪化により火災保険が成り立たなくなることを防ぐため、損害保険会社各社は近年、短期のスパンで値上げをしています。
なぜ保険期間の短縮をするの?
ただ、値上げをするだけでは収支改善は難しいようです。そこで契約期間短縮ということになります。
現状契約期間は最長10年です。
10年の火災保険を契約したAさんがいたとします。
契約した2年後に保険会社がは災害の発生状況、保険金の支払い状況に応じて値上げを行いました。
しかし、Aさんが値上げされた保険料率の契約に更新をするのは8年後、ということになります。
これでは、値上げをしたとしても保険会社の保険料収入が増えるにはかなりの期間を要することになります。
最長の契約期間が5年であれば、Aさんが値上げされた保険料率の契約に更新をするのは3年後、ということになります。
契約期間短縮により、「保険料値上げ→更新→保険料収入が増える」というサイクルを短縮化する効果があり、保険会社にとっては収支の改善につながります。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回は「火災保険契約が5年に短縮された場合の影響」についてお話しします。
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