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とある日、とある時間、当店で扱っているエビスビールの話になった。
客「ラッキーエビスってご存知ですよね?」
私「ええ」
客「あれが、まとめて14本、私の家に配達されたことがあるんです」
ラッキーエビスのラベルとは写真でご紹介している恵比寿様が両袖に鯛を抱えているもので、酒販店さえも、何ケースに1本入っているか分からないと言われているものだ。しかも、瓶だけのこと。缶にはない。
客「これまでに何ケースも頼んできたんですけど、入っていたことなんて殆どなくて、見つけたときには小躍りするぐらい嬉しい、まさに、ラッキーエビスなんですよ」
私「ほお」
客「ところが、それが14本入っていた。盆と正月が一緒に来たなんてものではなくて、この先の幸運を使い切ってしまったのではないかと思って、恐ろしくなってしまいました」
良いことがあったら宝くじを買え。万馬券が当たったら三人にご馳走しろ。家訓ではないが、私のジンクスだ。ラッキーエビスを見つけたら宝くじを買う、かもしれない。それが14本もいきなり来てしまったら、私ならどうするか。
客「酒販店は知らないと言いますが、やはり、宣伝用に使われているんだと思うんです。これからお得意様になってもらおうとするお店にやっているんだろうと」
私「なるほど」
客「こんなことって、アンラッキーエビスですよね。でも、一応、ラベルは全部エチケットシールで外したんですけどね」
当店はサーバーから出されるエビスビール生だ。だから、ラッキーエビスには縁がない。が、やはり、エビスビールはおいしい。今宵もいただくことにする。エビスビールを買うなら、瓶だ。始末に困るがケース単位なら酒屋が引き取ってくれるから問題ない。来年の運気を占うためにもお勧めしたい。
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