私、監督の角山貴之(つのやまたかゆき)は、陸上競技・三段跳びで東京オリンピック出場を目指しています。
1月に2週間、南アフリカ・ケープタウンでオリンピック金メダリストとトレーニング合宿を行ってきました。成田からシンガポール経由で無事にケープタウンに着きました。
Stellenbosch Academy of Sportという施設に宿泊しました。ここは色々なスポーツの選手達が合宿を行う場所です。 今回一緒にトレーニングを行うのは
左から
●Beate Schort・100mハードル12秒82
(日本記録13秒00)
・オリンピック二回出場
●James Elinton・100m10秒04(追参9'96)
・オリンピック二回出場
・World relays 銅メダリスト
●Christian Taylor・三段跳び18m21
(日本記録17m15)
・オリンピック2大会連続金メダリスト
・世界陸上3大会金メダリスト
・世界歴代2位
●Martyn Rooney44秒42
(日本記録44秒78)
です。
・オリンピック4×400mリレー銅メダリスト
・世界陸上4×400mリレー銅メダリスト
同じ競技場、宿舎では、陸上競技のオランダ代表、ベルギー代表も一緒に練習を行っていました。他のスポーツの代表チームも同じ宿舎でどのようなトレーニングを行っているか見る事も出来とても勉強になりました。
素晴らしい環境でのトレーニングもそうですが、僕にとって憧れの選手とのトレーニング合宿は毎日充実したものとなりました。
今回、Christian・Taylor選手との合宿を終え感じたことは、彼は当たり前の練習を反復し行い
三段跳びを常に意識して練習してる
と感じました。
なんだ、当たり前じゃないかそんなこと。
と思うかもしれませんが、ハードルドリル(ハードルを使って基礎的な動きの練習を行う練習)一つにしろ、僕にとっては欠けていた部分だったのでとても勉強になりました。
僕自身は、ハードルドリルを身体の軸作り、股関節の可動域を広げる。という目的で行っていましたが、彼はそれにプラスして三段跳びの跳躍を意識して行なっていました。
もう何年も陸上競技を行なって来て、練習のサイクル自体に慣れてしまい一つ、一つの練習を三段跳びと切り離して行ってしまっていたかもしれません。
何のために行なっているのか?
簡単な事ですが、これから自分が跳ぶ新たな記録・目標を達成する為のきっかけになりました。
ケープタウン合宿では、Christianの仲間にもお世話になりました。Christianとトレーニング出来るだけでも、素晴らしい環境なのに、さらにオリンピアン、メダリストの選手達とトレーニングが出来た事はさらにモチベーションが上がりました。
トレーニングスケジュールの関係で1日目はBeate、2日目はJamesが私の走り方を見て、アドバイスとスプリントドリルを教えてくれました。
共通して言われたのはつま先が下がってしまっている事。今日一日つま先が下がらないようにトレーニング出来ているかチェックするからねと言われていました。
つま先を下げるなとSEIVの子供達にも伝えているのに、、、。
この遠征が決まる前までは、今まで学んできた事、行ってきた事を怪我せずに行う事が出来れば過去の自分を越える事が出来ると思っていました。
過去のファール跳躍の動画です。
彼らに出逢うまでを考えると自分自身この跳躍と助走をもう一度再現したいと固執しすぎていた気がします。
この動画を見せると
・走る時に脚を後ろに流しすぎている
・跳躍はステップで膝を高く上げすぎて姿勢が悪い
と指摘を受けました。
しかし、改善できればあなたはまだまだ跳べると。
James100m10'04(追い風参考記録9'96)は
イギリス代表としてオリンピックに二回出場。彼は、同級生で31歳で初めて追い風参考記録で9'96で走りました。
※追い風が2.0m以上吹いてしまうと参考記録になってしまいます。
短距離種目で30歳を越えて自己ベスト記録を出す事はとても凄い事です。
32歳で怪我をしてしまい今年は再スタートする境遇が似ていてとても刺激をもらいました。
今年で34歳になります。
今更、技術を大きく変える事はしない方が良いという意見もあります。しかし、彼らと出逢えた事により私は過去の自分ではなく、新しい自分になりたいと強く思う事が出来ました。33歳で初めて海外のトップ選手と合宿を行い交流を持ちました。一般的には遅い経験かもしれません。
私自身は、これからがスタートだと思っています。
この合宿に行くと決めたのも即決でした。
私の人生の中で大きな選択肢。今までも色々な選択肢を選んで来ました。一瞬で決められる事、悩んで後悔した事。しかし今でも、あの時すぐに決断出来て良かったと思います。
自分の想像よりも遥かに多くのものを手に入れる事が出来ました。
新しい跳躍技術
自分の力感と違った助走の動画
ウエイトトレーニング
南アフリカの大地
ここに来れたことで以前の自分よりも前に進む事出来ました。素晴らしい環境の中で、素晴らしい仲間とトレーニング出来て本当に良かったです。今までの私の陸上競技人生の中で1番幸せな時間を過ごせました。
これからは、この幸せな時間を越える最高の瞬間の為に努力し続けていきます。
この合宿に参加出来たのもSEIVのみんな、御協力して頂いた皆様、スポンサー様のお陰で実現する事が出来ました。本当にありがとうございます。
ここからまた前に進んでいきます。
陸上競技・三段跳びプロアスリート
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